子供の頭痛のあらわれ方
こんにちは。脳神経外科の片桐彰久です。
片桐の「片」は片頭痛の「片」です。
さて、お茶の水頭痛めまいクリニックには、最近、お子さんの受診も増えてまいりました。
子供には片頭痛はどのように現れるのでしょうか。
今回は子供の頭痛の特徴について書きたいと思います。
幼いお子さんは腹部片頭痛と言ってお腹の症状として始まる方もいらっしゃいます。
小学生位のお子さんの頭痛で、日常生活に困って外来に受診する方は片頭痛が多いです。
お子さんの片頭痛の特徴として、大人になると片頭痛は圧倒的に女性に多い疾患ですが、子供は男女同じくらいの頻度です。
子供の片頭痛の診断基準です。
頭痛の持続時間が2−72時間と大人の4―72時間よりも短くなっています。
子供は痛がっていたと思ったら、割とすぐに治って元気に遊んでいたりするので、本当に頭痛があったのかと疑われてしまうこともあります。
また前頭部の頭痛であれば両側でも片頭痛という診断になります。
ドクドクという拍動がないことがほとんどなので、緊張型頭痛と間違えられることも多いです。
実際、妻も小学生の時から頭痛持ちで曇りの日や雨の日が苦手、ひどい日には動けなくなるほどの頭痛で小学校を休んだりしていましたが、緊張型頭痛だと思い、お風呂であっためては頭痛が悪くなってしまっていたそうです。
我が家は小学生の息子も頭痛持ちなのですが、そういう時は自分で部屋を暗くして、頭を冷やしてジッとしているので、自分でも片頭痛の特徴がわかっているようです。
緊張型頭痛と片頭痛とは、動いた時によくなるのが緊張型頭痛、動くと痛みがひどくなるのが片頭痛という特徴がありましたね。片頭痛の時には冷やして拡張している血管を戻してあげると痛みが和らぐことがあります。
ストレスの後やお腹が空いて低血糖になった時にも頭痛が起こりやすいので、学校から帰ってきた夕方などは注意してあげましょう。
小児に使う予防薬はCGRP注射が使えないなど、大人とは異なりますが、予防薬で良くなることも多いですので、学校を休んでしまうようなことがあれば早めに頭痛外来を受診しましょう。
息子も片頭痛持ちなので、ご家族のお気持ちはよくわかります。
子供の頭痛は片頭痛と気づかれずに、気持ちの問題と思われたり、ずっと市販薬などで対処されてしまうこともありますので、ぜひ頭痛でお困りのお子さんがいらしたら頭痛外来の存在を教えてあげてください。
頭痛がなくなったら、かなえたい夢はなんですか?
頭痛治療に取り組むことは、人生に向き合うことだと思います。
頭痛のない人生を一緒に目指しましょう。