自分の頭痛を悪くしているもの、ご存知ですか?
こんにちは、副院長眼科片桐です。
9月に日本頭痛学会認定頭痛専門医に無事合格していたことがわかり、つかの間ホッとしておりました。
しかし幼い頃から片頭痛持ちの私は、こういう大きなイベント後に頭痛が悪化するということを長年の経験でよく知っています(笑)。
ですので、寝ためをしたり、調子に乗ってワインを飲みすぎたりしないよう、できるだけ普段通りのリズムで暮らしておりました。
みなさんは自分の頭痛を悪くさせるものが何か、挙げることができますか?
初めて頭痛外来にいらっしゃる方の中でも「低気圧が来ると悪くなります」「生理の前に悪くなります」などとはっきり原因がわかっていらっしゃる方もいれば、「考えたこともありませんでした」とおっしゃる方もいます。
少し大変ですが、把握のためには頭痛ダイアリーが役に立ちます。
いくつかの研究から片頭痛患者さんの発作を増やす原因がわかっており、4分の3の方で何らかの原因があったとされています。
その中で最も多いのはストレス(79.7%)、続いては女性ホルモン(65.1%)でした。ストレスについては、ストレスのかかる時、ストレスから解放される時、それぞれのタイミングで頭痛がひどくなる両方のパターンがあることがわかっています。週末、仕事や学校が休みでホッとした時に頭痛がひどくなる方も多いのではないでしょうか。
女性ホルモンは生理に関するものと更年期がまとめられてしまっているようですが、女性がいかにホルモンに振り回されているかがわかりますね。また、意外なところで多いのが絶食(57.3%)、その次に天候(53.2%)、睡眠(49.8%)、におい(43.7%)、頚部の痛み(38.4%)、光(38.1%)、アルコール(37.8%)などです。
その他のライフスタイルでは運動や旅行、特定の食品が挙げられます。
特定の食品で多いのはチョコレート、赤ワイン、チーズやハム、グルタミン酸ナトリウムを含む食品(例えばスナック菓子やインスタントラーメン、味の素など)です。
私もインスタントラーメンは食べると絶対に片頭痛が出てしまいますので、滅多に食べることができません。
では、片頭痛の方はこれら全てのものを徹底的に避けなければいけないのでしょうか?
答えはNo!だと思っています。(日本頭痛学会でも「全てを避ける指導はしない」としています。)
ライフスタイルの中で、どうしても減らせないものもあります。
以前大学病院に勤めていた頃、オペをする時間が長かったのですが、私はまぶしさも頭痛の原因になるので、オペ室のライトが本当に苦手でした。頭痛外来でもそうおっしゃる医療従事者の患者さん、多いです。
また、太陽の光で頭痛が誘発されるので、まぶしい日は外を歩けない、という方もいらっしゃいます。
頭痛治療は、頭痛の原因となるものは可能なものは避ける、また、それを防御するような工夫をしながら進めていく、ということになりますので、治療の一環として、予防の選択肢は多いほうがいいと思っています。
眼科での工夫としては、片頭痛をおさえるサングラスの導入や、ブルーライトカットの色素レンズを用いてメガネの処方をする、などという手があります。
片頭痛防止のAcunisサングラスには私自身今年の夏お世話になりました
そのように、できる工夫を一つずつして頭痛の原因を少しずつ減らしながら、頭痛の予防治療をしていくことで、元々あった過敏性も徐々に抑えられ、普通の生活を取り戻すことができると感じています。
私は若い頃、ワインスクールに通うほどワインが大好きでしたが、産後に頭痛が悪くなった時には全く飲めなくなり悲しい思いをしました。唯一シャンパンと樽の香りがついていない白ワインは飲めましたが、赤ワインなんてもっての他、という状態でした。今は、頭痛治療がとてもうまくいって、ほとんど頭痛も出ない状態が続いているので、なんと赤ワインも飲めるようになっています!
好きなもので息抜きは必要!と思っています。ほどほどに!
頭が痛いと、正常に考えることも大変です。
ましてや明るい未来を描くことも難しく、悲観的になってしまいます。
私は頭痛が良くなって、頭の中の整理ができるようになり、驚くほど人生がうまく回っていくようになっています。
みなさんも、自分が大好きなことを楽しむため、自分の夢をかなえるために、頭痛治療の一歩を踏み出してみませんか?