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脳神経外科専門医が説明する『頭痛外来』ってどんなところ?

頭痛は治療することができる病気 頭痛は病気ではないと思っていませんか?

お酒を飲み過ぎてしまい二日酔いの時、アイスクリームやかき氷を食べた時、風邪をひいた時…頭痛は日常的に誰もが経験する症状です。
一般的な症状であるため、頭痛で日常生活に影響がある方がたくさんいるにも関わらず、社会も医療者も、そして患者さん自身も頭痛が病気であるという認識が充分ではなく、病院を受診せず、我慢していることが多いのが現状です。
また、頭痛外来の開設自体が少なく、受診のしきいが高くなってしまっているということも、多くの患者さんがお一人で悩んでいるという現状につながっています。

 

このような頭痛の症状でお困りではありませんか?

  • 頭痛が心配で仕事や遊び、外出の予定が立てられない。
  • 頭痛のつらさを家族や職場の人に理解してもらえない。
  • 頭痛を我慢して仕事や勉強をしているため生産性・能率が上がらない。
  • 生理のたびにつらい頭痛がある。(生理前後2~3日、生理だからと諦めていませんか)

実は頭痛診療はここ数年で使用できる薬が増え、これらの症状はご自身でコントロールできるようになってきているのです。

頭痛外来を受診する目安

  • 頭痛で仕事や学校を休む・遅刻・早退するなど日常生活に支障がある
  • 生理のたびに頭痛がつらい
  • 週に1回以上、頭痛で市販薬を飲んでいる
  • 鎮痛薬の回数が増えた・効きが悪くなった
  • 痛くなるのが怖くてついつい早めに鎮痛薬を飲んでしまう
  • 気圧など天気・天候の変化により悪くなる頭痛がある
  • 今までの頭痛と性状が変わった

どのくらいの人が頭痛で苦しんでいるの?

国内の慢性頭痛有病数は4000万人と言われています。
これはなんと高血圧の有病率とほぼ同じです。
中でも痛みが強く日常生活に影響を及ぼしやすい片頭痛の有病率は約8.4%、20代から40代の女性の5人に1人が片頭痛を持っていると言われています。

片頭痛は患者負担も社会的損失も大変大きい疾患であり、障害によって損失する期間は腰痛に続き2番目に長いことがわかっています。
片頭痛や慢性頭痛により、業務を行う能力は7割程度まで下がると言われ、我が国での片頭痛による社会的損失は年間3000億円~2兆3000億円にものぼるという試算もあります。

頭痛外来での検査について

頭痛外来で行う問診と検査

頭痛外来で一番重要になるのが問診です。
詳しく問診を記載していただくことにより、より正確な診断が可能となります。
当クリニックでは予約時に頭痛問診票を書いていただくことが可能です。
その後受診していただき、問診票を元に問診と診察を行います。
必要に応じて即日、または近日中に、頭部CT・脳波・採血検査をおこないます。
必要に応じて、近隣の当院連携の施設にご紹介し即日または近日中に、頭部MRI検査を行っていただきます。
全て徒歩0~5分圏内の施設です。
脳神経外科で詳しく検査し、さらに必要な場合には、耳鼻科・眼科と連携をして検査・治療いたします。
また、必要に応じて、婦人科や小児科、呼吸器科(睡眠時無呼吸症候群の疑いの場合)、精神科などとも連携して治療致します。

当クリニックでは、必要な検査をご提案しておりますが、検査内容やその必要性などのご質問は納得いくまでぜひご相談ください。

画像診断からわかること

頭痛には頭部CTやMRI・採血で異常を認めない【一次性頭痛】と、頭痛の原因となる病気が認められる【二次性頭痛】に2種類に大きく分けられます。
約8割は【一次性頭痛】といわれており、片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛等)などが代表的なものです。
一方、今までに経験したことがない激しい頭痛で徐々に痛みが酷くなり、手・足に麻痺等を合併した場合は【二次性頭痛】の可能が高いです。
何よりも早く診断をつけたい疾患である代表疾患はくも膜下出血です。
命に関わる恐ろしい頭痛です。
この場合、検査の最優先は頭部CT検査です。
発症早期の手足の麻痺などは急性脳梗塞の診断が重要になり、頭部MRIが重要になります。
また、脳動脈瘤や脳腫瘍、脳動静脈奇形、もやもや病なども頭部MRIにより診断がつきます。

採血検査からどんなことがわかるの?

採血では電解質やマグネシウム、貧血がないか、甲状腺機能、帯状疱疹ウィルスの活動性など非常に多くの有益な情報を得ることができます。
他の疾患から頭痛が起きている【二次性頭痛】を鑑別することができます。
検査項目の内容により、料金は異なります。

当クリニック以外で最近行った採血のデータがあれば、当クリニックで行う必要がないこともありますので、ぜひ受診の際にはお持ちください。

脳波検査からどんなことがわかるの?

脳波検査とは、脳の神経細胞から出る微弱な電気活動を、頭の表面に装着した電極により記録、大まかに言うと、大脳の活動の状態を見る検査です。
脳波検査では一般的に、てんかんなどの発作性意識障害の鑑別や、器質性疾患(脳腫瘍)などの鑑別に役立ちます。

また、頭痛診療においては、2011年に東京女子医科大学脳神経外科頭痛外来の清水俊彦客員教授が提唱した新しい頭痛の考え方である「脳過敏症候群」という脳の状態を脳波により診断できるという考えも広がりつつあります。
頭痛ガイドライン2021では、片頭痛の患者さんの頭痛がない間の脳波で、θ(シータ)波の活動が全ての脳の領域で片頭痛がない患者さんと比較して、増加し、δ(デルタ)波が片頭痛で痛みのある側で増加していることが報告されています。
また、片頭痛の患者さんでは脳波の波がゆっくりになることと、光刺激に対して抑制されることが特徴とされています。
(参考文献: Bjork M et al : What initiates a migraine attack? Conclusions from four longitudinal studies of quantitative EEG and steady-state visual-evoked potentials in migraineurs. Acta Neurol Scand Suppl 2011 ; (191) :56-63)

病院とクリニックにおける頭痛外来の特徴

頭痛外来には病院とクリニックの選択肢がある

私はクリニック開設前は大きな基幹総合病院で頭痛外来を立ち上げ、多くの患者様を診て参りました。
その中で、大病院では頭痛外来をするのに難しい点もあり、クリニックを開業することにしたという経緯があります。
以下に病院とクリニックの利点と欠点を列挙いたします。

病院のメリット

  • MRIやCTなどの検査が揃っている
  • 危険な頭痛が見つかった場合の入院治療がスムーズ

病院のデメリット

  • 頭痛で病院を受診するのには紹介状が必要、初診料が高い、予約が入らないなど受診のしきいが高い
  • MRI検査が常に混んでおり、なかなか検査予約が入らない
  • 頭痛外来を設置しているところが少なく患者さんが殺到するため患者さんは1日がかりの受診になってしまう
  • 他科も混んでいるため、連携が取りずらい

クリニックのメリット

  • 受診しやすい
  • 同じ医師が診察
  • 素早く検査が可能
  • 近隣に画像専門クリニックがあれば、連携してMRI検査も素早く実施できる

クリニックのデメリット

  • 入院治療はできない
  • 時間外の診察はできない

当科ではクリニックならではの受診のしやすさと、御茶ノ水という恵まれた立地から、頭部MRIまでの検査をスムーズに試行できる利点を兼ね備えております。
また、頭部CT検査はすぐに実施することが可能であり、危険な頭痛は近隣の連携病院へスムーズに連携することが可能です。
眼科・耳鼻科との連携は病院での他科受診のような紹介状などは必要なく、同クリニック内で完結します。

患者さんの外来受診への負担を少しでも減らしながら、病院と同レベルの頭痛診療を提供する、それがこのクリニックに込めた願いです。

頭痛めまい外来初診で行う検査および料金

保険適応の検査・治療

検査の実施は基本的には初診時と、主治医が検査を必要と判断した場合のみとなります。
3割負担の保険診療の場合
頭部CT検査:およそ5000円
脳波検査:およそ3000円
血液検査:検査項目の内容により、料金や検査判定までの期間は異なります。
その他、初診料(およそ860円)、初診のみ脳神経的な診察料(およそ1500円)がかかります。

行う検査項目によっても異なりますが、当クリニックの脳神経外科初診でこれらの検査を行うと3割負担で1万円前後となることが予想されます。

文責 片桐彰久 Katagiri Akihisa M.D.,Ph.D
脳神経外科専門医・指導医

日本頭痛学会・脳卒中学会・脳血管内治療学会・日本臨床高気圧酸素学会など 多くの学会の専門医・指導医を持つ。
妻と息子が片頭痛持ちであったことから頭痛診療を学び、板橋中央総合病院で頭痛外来を開設。片頭痛予防の抗CGRP製剤は区西北部医療圏で1番の使用経験を持つ。2023年に3つの診療科が協力して頭痛診療をするお茶の水頭痛めまいクリニックを開設。

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